TBS 世界ふしぎ発見 モナリザの謎

番組冒頭は、まずルーブル美術館のモナリザへ。
ガラスケースに入っています。
たくさんの観光客でモナリザの前は人だかり。
みんな、写真を撮ってました。
美術館というより完全に観光名所となってます。

そういえば、昔はむき出しで展示されてたが
日本へ貸し出した時にガラスケースで展示されてたのを見て
ルーブルが取り入れたという話を聞いたことがありますが
これは都市伝説のようです。
もっと前からガラスケースに入っていたそうです。

番組が提示した謎は、
・モデルは誰か?
・微笑の意味は?、
・ダヴィンチはなぜ生涯モナリザを手放さなかったのか?
というものでした。

そして、最近公開されたというもう1枚のモナリザ、
アイルワースのモナリザのあるスイスへ。

保管場所を明かさないという条件で取材許可が出たそうで
銀行の金庫室のような分厚い扉を2つも抜け、
さらに鉄格子の扉のむこうにアイルワースのモナリザはありました。

ものすごく厳重で、逆にルーブルのモナリザはあれでいいのか
と心配になります。


アイルワースのモナリザは、ルーブルのものよりかなり大きな作品で
左右に柱が書かれているのが特徴です。
アイルワースと比べると、ルーブルはまるで左右の柱部分を
切断して小さくしたかのように見えます。

アイルワースのモナリザが本物か検証するために
資産家によって作られたというモナリザ財団が
「本物」と判定したことで、公開となったのでした。
その理由は、使われている顔料が16世紀のフィレンツェのものだ
ということ。
そして、ダヴィンチと同時代のラファエロが、モナリザの模写を
残しているのですが、そこには柱が書かれていて、モナリザも若い。
アイルワースと一致します。

続いて、フィレンツェへ。
ダヴィンチのアトリエがあったという教会を取材。
一部が警察学校として使われているので普段は立ち入り禁止だとか。
前に古い建物に住むイタリアの大金持ちを取材した番組を見たことがありますが
景観保護のため外観を変えてはいけないと言ってました。
それでこうやっていろいろやりくりしてるのでしょう。

この教会の中庭の廊下にある柱、これがアイルワース版に描かれていた柱と
そっくりでした。
つまりアイルワースのモナリザは、ここで描かれた可能性が高いわけです。
ただ背景は教会の中庭とはまったく違う、荒涼とした山と砂漠みたいな
風景ですが。

モナリザのモデルは誰かという謎。
当時の記録に
「ダヴィンチは今、リザ夫人の肖像画を描いている」
というものがあり、これこそモナリザのモデルだと言われてきました。
が、リザ夫人はその時24歳。
ルーブルのモナリザに比べて若すぎるということで
モデルではない説も強かった。
それが若いアイルワース版の登場で、解決したわけです。
ダヴィンチは、まずリザ夫人の肖像画としてアイルワース版を描き、
その後、自分のためにルーブル版を描いたのではないか。

次に、モナリザのモデルとされるリザ夫人の子孫を訪ねました。
ストロッツィ家という、メディチ家のライバルでもあった家系で
大豪邸です。
家の中に大きな彫刻が並べてあります。
理由を聞くと
「最近は庭に置いておくと盗まれるから」とのこと。
当主の話では
「財産目録にモナリザと書いてある。が、今はない。
どこかで売ってしまったのだろう」
ダヴィンチはルーブルのモナリザを生涯手放さなかった
といいますから、財産目録にあったモナリザこそ
アイルワース版ではないかというわけです。

番組では、アイルワースの話はここまで。
次にダヴィンチの技法を研究してる人のもとへ。
ダヴィンチは人の顔に輪郭はないと考えていた。
そこですべてを点で描く技法をあみだしたのだとか。

今度は2億4千万画素のカメラを開発した光学技師。
それでルーブルのモナリザを撮影し、色あせる前の
当時のモナリザを再現してました。
そこには今は消えて見えない眉毛も描かれていました。
ルネサンスの美術評論家も、モナリザには眉毛があると記録していて
これでその記録とも一致すると。

後はダヴィンチの生い立ちの話に。
出身地であるヴィンチ村へ。
ルーブル版の背景は、出身地の風景をもとにしたと思われる部分があり、
それは故郷に住む母への思いを託したのではないか、
ルーブルのモナリザはダヴィンチの母ではないのかという話になります。
なんか強引なこじつけ、という印象。

最後に今まで登場した関係者のコメント、
「モナリザにはやさしい母のまなざしがある。それが人を引き付ける」
「実在の母というより、母なる自然といった象徴的なもの」
などを紹介して、終了しました。

最後はなんかちょっと変でした。
これはコメントの前に
「モナリザはダヴィンチの母説がありますがどう思いますか?」
と質問したのではないでしょうか。
その答えだけを並べて、あたかも研究者みんなも母だと思ってる
という感じに仕上げたように見えます。
特に2つ目のコメントはむしろ母説を否定してるのに、
こういう並べ方をすると、支持してるかのようにも感じてしまいます。