モナリザの謎 3つの番組を比較する

TBSはアイルワースのモナリザにスポットを当て、
「アイルワースは本物だ」としていました。
他のモナリザについてはノータッチ。

テレ東は、プラドのモナリザがメイン。
アイルワースのモナリザも登場したのですが
「アイルワースはダビンチ作ではない」と断定。
ではプラドが本物か
というと、プラド美術館の見解は「弟子が描いたもの」。

ところがここから、急展開。
資料や研究家の話をもとに、
「やっぱりプラドのモナリザは本物だった」と持って行きます。
所蔵する美術館が否定してるのに、ちょっと強引な気もしますが。

そして日テレ。
ここは、なんと「ルーブルのモナリザこそダビンチ作ではなかった」
と言い出します。これは盲点でした。
でも、すぐに「いや、そうではない」と引っ込めてしまいました。
どうせなら、この説をもっと追ってもよかったかも。

この番組では、さらにニースのモナリザという、また別のモナリザが登場。
でもこれも持ち主が「弟子が描いたもの」ということでさらっと流してました。
モナリザがどんどん増えていくので、だんだんどうでもよくなってきます。

さて、そして本物は…と、もったいつけて登場したのは
アイルワースのモナリザ。
知らなければ、とんでもない秘密のお宝がついに日の目を見たという印象を
持ってしまうでしょうが、少し前に「ふしぎ発見」でやってるので
「なんだ、結局これかよ」となってしまいますね。

だが、TBSと違って、こちらはアイルワースの科学的検証を
時間をかけて紹介。
他の番組が、「分析の結果、本物とわかった」と結論だけを伝えたのに対し、
こちらは分析データを出してきて、素人でも「なるほど」と
思わせる展開。
これを見せられると、確かにアイルワースは本物だと納得させられます。

でも・・・
テレ東がアイルワースを「偽物だ」としていた理由、
「板じゃなくキャンバスに描いてる」ことについては触れませんでした。


もう1枚のモナリザを追う番組としては、テレ東と日テレがおもしろかったですね。
日テレはトリックハンターというバラエティの1コーナーだったこともあり
推理ものっぽいおもしろさがありました。

TBSは、アイルワースのモナリザは実はつかみで、取り上げたのは前半だけ。
後はダビンチの足跡、そして「なぜモナリザを描いたのか」がメインテーマでした。

モナリザのモデルは24歳の夫人だったというのは3番組共通に出されていて
なのにルーブルのモナリザは老けてる。
「いったいこのモナリザは何なのか」
というのが、モナリザのもうひとつの謎です。

TBSはむしろこちらを中心に扱っていて、結論としては、
「ダビンチの母ではないか」
という推測をしていました。

テレ東は、妊娠の時に着る服を描いていることなどから
「聖母マリアではないか」。

そして日テレは、「10年後に想像で描いた」というもの。

母説はさすがに無理やりすぎの感。
聖母マリア説も苦しいですが、説としてはおもしろかったですね。